高血圧は国民病高血圧の患者さんは全国で4300万人と言われています。成人の半分は高血圧という事になります。70歳になるとおよそ7割が高血圧という研究結果もあります。高血圧は、“いずれ誰もが患う病気”といえます。高血圧患者さんの約半分の方が、未治療か、自覚がないと言われています。自分は大丈夫と思っていても実は高血圧かもしれません。血圧が高いと何が悪い?高血圧は自覚症状がほとんどありません。「元気だから大丈夫」「少しくらい高くても平気」と思われがちです。しかし高い血圧は長年かけて血管を傷つけ、脳卒中心筋梗塞心不全腎不全認知症の原因となります。これらは一度なってしまうと生活が一変する病気です。ほとんど自覚のない高血圧の段階で治療を開始しておくことが重要です。また、適切な血圧管理でこれは予防できることが証明されています。高血圧の治療目的は「脳、心臓、腎臓の重篤な病気を予防する」ことにあります。血圧治療の効果は?高血圧は治療を始めても目に見える効果がすぐに出るわけではありませんが、血圧を下げることには明確なメリットがあります。これは多くの臨床研究で証明されています。高血圧専門医からのワンポイント・エビデンス収縮期血圧を約10 mmHg下げることで脳卒中は約25〜30%減少心不全は約25%減少冠動脈疾患は約15〜20%減少心血管死亡も減少*出典 Ettehad D, et al. Blood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2016;387:957-967.つまり、血圧を「少し下げる」だけでも、将来の病気を大きく減らすことが期待できるのです。高血圧の基準は?高血圧ガイドライン2025では高血圧は収縮期血圧拡張期血圧診察室血圧140以上90以上家庭血圧135以上85以上とされています。一方、正常血圧は家庭血圧で115/75未満とされています。家庭血圧で収縮期血圧115から135の間は正常高値血圧・高値血圧と言われ、注意が必要な血圧です。特に脳卒中や心臓病がある患者さん、糖尿病の患者さんはこの時期からの治療が大切といわれています。まとめ血圧の管理は、10年後、20年後の脳卒中や心筋梗塞を防ぎ、健康寿命を延ばすための「未来への投資」です。症状がない今だからこそ、血圧と向き合うことが大切です。高血圧と言われた。高血圧かもしれないと思ったらいつでもご相談下さい。自宅で血圧を測る習慣をつけましょう!最近の研究では、病院で測る血圧よりも家庭で測る血圧の方が将来の脳卒中や心臓病をよく予測することが分かっています。そのため現在の高血圧診療では、家庭血圧を重視します。家庭で測る血圧の記録こそ病気を予防する最も大切なデータです。次回予告「家庭血圧の測定があなたの未来を変えます。」