「家では120台なんです。」「病院に来るといつも高くなるんです。」これらは外来でよく聞く言葉です。診察室血圧と家庭血圧が同じにならないことはよくあることで、家庭血圧が少し低くなるのが一般的です。そこで、現在の高血圧診療では、「家庭血圧は診察室血圧よりも重要」と考えられています。診察室で年に数回測る血圧より、自宅で毎日測る血圧の方が、将来の健康状態を反映すると言われています。家庭血圧の目標は?まず“高血圧の値”をおさらいしておきましょう。家庭血圧135/85 mmHg以上診察室血圧140/90 mmHg以上では、管理目標の血圧は?家庭血圧125/75 mmHg以上診察室血圧130/80 mmHg以上となります。これらは、たまたま測定した1日の血圧ではなく、1〜2週間の平均値で判断します。診察時には、血圧手帳やスマートフォンの記録をぜひお持ちください。降圧目標を達成できるように一緒に頑張りましょう!家庭血圧の測り方(重要‼)高血圧の正確な評価へは家庭血圧の測り方も重要になってきます。朝と夜の血圧測定をお勧めします。背もたれのある椅子に座ってリラックスして測りましょう。利き手と反対で測るのが一般的です。 朝起床後1時間以内 排尿後 朝食・内服前 1~2分安静後 夜就寝前 1~2分安静後それぞれ2回測定し平均値をとるのがおすすめです(もちろん1回でも大丈夫です。)測定した血圧が高くても、その値が治療に必要な記録になります。血圧の機械は、上腕(二の腕)で測るタイプが推奨です。見逃してはいけない2つの高血圧白衣高血圧病院では高いけれど、自宅では正常。緊張によって一時的に血圧が上昇するタイプです。以前は「心配いらない」と考えられていましたが、長期的には本当の高血圧へ進行しやすいことが分かっています。仮面高血圧病院では正常なのに、自宅では高血圧。実はこのタイプは問題です。脳卒中や心筋梗塞などのリスクは、持続的な高血圧とほぼ同じと考えられています。仮面高血圧は、長期的な脳卒中リスクが高いことが示されています。Q&AQ.家では正常なのに、病院では高いです。薬は必要ですか?A.必ずしも必要とは限りません。白衣高血圧の可能性があります。一方で、将来的に本当の高血圧へ進行する方も少なくありません。家庭血圧を継続して記録しましょう。また定期的に病院を受診して、血圧管理の励みにしましょう。Q.もう年なので血圧治療は意味がないですか?A.そんなことはありません。何歳からでも適切な高血圧の管理は脳卒中や心臓病の予防に有効です。高血圧専門医からのワンポイント・エビデンス日本の大迫研究家庭血圧は診察室血圧よりも将来の脳卒中リスクをよく予測する。また、家庭血圧は測定日数が多いほど予測精度が向上する。「できるだけ継続して測ること」が大切。How many times should blood pressure be measured at home for better prediction of stroke risk? Ten-year follow-up results from the Ohasama study J Hypertens. 2004 Jun;22(6):1099-104.まとめ高血圧管理には自宅血圧が大変重要です。血圧を測る早く習慣を作ってしまうのがいいかもしれません。血圧の正しい測り方や、血圧記録の評価など、気になることがあればいつでもご相談下さい。次回予告「薬だけでは血圧は守れない! 高血圧専門医が教える生活習慣・減塩・運動・睡眠のコツ」